医師転職のこと

麻酔科専門医の更新要件に「単一施設週3日」が追加。フリーランスはどうするべき?

こんにちは!意識低い系女医のえいみー(@Dr_Amy777)です。

2018年7月10日付で日本専門医機構と麻酔科学会から「日本専門医機構更新要件追加について」という通達文が公開されました。

これによると、麻酔科専門医を更新するための要件の中に、

申請時点で単一の医育機関病院や病院施設に週 3 日以上勤務し、麻酔科関連業務に専従していること

という内容が追加されたようです。

さらにその2日後には、この件についてのQ&Aも追加されました。

今回この改定を行う学会側の目的と、実際のところ麻酔科医にどう影響してくるのか、そしてこの更新要件に関わってくる人(主にフリーの麻酔科医でしょうか)はどうするべきか、などをまとめていきます。

今回の改定の目的

上記のQ&Aの中にも、「今回の要件追加の経緯を教えてください」という質問に対して、

同一施設で週3日以上勤務することにより、他科と連携して周術期を中心とする総合的な患 者管理(術前、術後の管理)に関わることで麻酔科専門医としての社会的役割を果たすこと が目的です。

との回答があります。

ただ多くの麻酔科の先生がお察しの通り、おそらくこれは建前で、本音は「フリーの麻酔科医にダメージを与えたい」「フリーの麻酔科医を大学医局システムの中に戻して働かせたい」というところが伺えてしまいますね…。

フリーランスは楽して儲けてるというイメージ

「フリーランスが楽して儲けてる」

みたいなイメージを持たれがちですが、何があっても全て自己責任ですし、そんなに楽でもないと思いますけどね?

病院側も常勤医を一旦雇ったらなかなか解雇にすることは出来ませんが、フリーのバイト医であれば「使えない」と思えばすぐに断れば良いだけ。それだけ腕に自信がないとフリーで仕事を続けていくのは簡単なことではないでしょう。

にも関わらず、「楽して儲けてるフリーランスが気に入らない」っていうのは、「俺たちが子どもの頃はエアコンなんてほとんど使わなかったのに、最近の子どもときたら!」みたいな批判をする人みたいです。

今回の改訂でフリーランスは医局に戻るべき?

医師の絶対数が不足しているというより、医師の勤務地が偏っていることが問題で、昔のような医局制度に戻すことで麻酔科医不足を解消するという狙いがあるようにも思いますが、おそらくこの改定で大学に人が潤うことはまずないと思います。

昔は自分でバイト先を探すのなんてそれはそれは大変だった。でも今はインターネットの発達によって個人で仕事を探すことがさほど難しくなくなった。病院側と医師を繋ぐ「医師転職支援サービス」のような業者も増えて、麻酔科標榜医、専門医など最低限の資格さえあればフリーで働くのもさほど苦労しなくなったわけです。

とすると、この改訂だけでは適当に働ける病院を見つけて最低限の週3働く、残りはバイトになるのがオチで、これまで非常勤で人手を補っていた民間病院は週3以上働く常勤の人材確保がしやすくなりますが、わざわざ大学医局に戻る人はいないでしょう。

フリーランス麻酔科医は今後どうするか?

専門医更新を放棄するのはあり?

こんな条件が必要になるならもう専門医更新必要ないんじゃ?と思われるかもしれません。確かに「麻酔科標榜医」のあるなしで手術麻酔の加算点数が変わりますから、病院側もこの資格の有無で給料に差をつけるのは納得です。

でも、専門医のあるなしで加算は変わらない。とするともはや別になくても良い資格といえばなくても良い資格なわけです。

専門医試験はある程度麻酔科医の質を保証するものだと思うのですが、今後この条件が追加されるのであれば「専門医持ってたけど、”週3以上単一勤務”の条件クリアが出来ず放棄しました」とすれば、雇う病院の側も納得してくれそうな気もします。フリーは一旦雇っても「問題あり」と判断されればすぐに解雇しちゃえば良いわけですし、病院側もリスクは少なそうです。

ただ、それでもやはり私は専門医更新はした方が良いのでは?と思います。

フリーランスがこぞって「専門医更新なんていらないやー」となれば、今後さらなる改定で「専門医」に対しての優遇措置が追加される可能性もありますし、過去の訴訟などでは「専門医を持っていたかどうかで十分な麻酔経験があったかどうかの判断材料にされていた件もあったようです。

とすると、「専門医更新を諦める」は今後のことを考えるとやはり危険すぎるように思います。

フリーランス麻酔科医の最適解

そこでフリーランスとして今後も働くのであれば、「週3日どこかの病院で働いて、残りで自由にバイト」というのが圧倒的になりそうです。

週3日の常勤転職を探すなら、圧倒的におすすめなのはエムスリーキャリアエージェントのような人材紹介サービスかと。フリーの先生は既に利用している方も多いと思いますが、これからフリーになろうと考えている先生もまずは常勤週3日の勤務先を探した上で、残り日数を必要に応じてバイトする、というような形態が一番でしょうね。

こうした転職サービスを効率よく利用するためのポイントはこれまでの過去記事でも色々まとめていますので良かったら参考にしてください。

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まとめ

今日は先日出た「麻酔科専門医更新の要件追加」の件についてまとめてみました!

結局この専門医機構の通達で得するのは今まで非常勤で勤務する人たちが多かったような病院くらいで、大学医局に人が戻ることはなさそうな気がしますね…。

麻酔科医の質やスキルを保証するための専門医システムで、同一施設での勤務を義務付けるのはナンセンスな気がしてしまうのですが…仕方ないんでしょうね。

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えいみー
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修行や雑用が嫌いな意識低い系ゆとり世代です。なによりもコスパを重視するゆえ、出来るなら必要最小限の努力で立派な医者になりたいです。医局は辛かったので辞めました。要領の良さと見切りの速さがチャームポイントです。医者のQOMLを向上させよう!をテーマに情報発信するためのブログ書いてます。
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