どうも!意識低い系女医のえいみーです。
私は医師3年目→4年目で諸事情により病院を移っているのですが、この時に前職場を少し早めに辞めて半年ほど放浪生活をしていました。
私はダイビングが趣味だったので1ヶ月ほどかけて沖縄で離島巡りをしてみるところから始まり、ヨーロッパ、アジア、中米などなどで行きたいと思った旅行先にあちこち行く生活をしていました。
世界一周のようなことがしてみたかったのですが、浪費家だった私はその当時世界一周出来るほどのお金はなく、数週間〜1ヶ月程度の旅行に行ったら一度日本に帰ってきて、1~2週間ほどバイトしてお金を稼ぎ、また旅行に行く…というかなり自由で適当な暮らしをしていました。
この時にたまに出稼ぎに帰ってきては医師のバイトで生計を立てていたわけですが、実際のところそんなん生活出来るのか?どうやって生活してたの?
という話を今日は書きます。
ちなみにこの記事は「単発のスポットバイトをつなぎながら旅行に行きまくる生活をする」ことについての記事です。
フリーランスで非常勤として働くのとは少し事情が違うのでご了承ください。
Contents
医師が単発バイトだけで生活出来るのか?
まず、医師のバイト需要はいくらでもあるので、仕事内容を贅沢言わなければ多分余裕で生きていけます。
当時私はネットの医師向けのバイト探しサイトで探していました。医師がバイトだけで生きていく場合、本当は毎週〇曜日の勤務、のような定期非常勤を決められたら収入も安定して一番です。(いわゆるフリーランス医)
しかしながら当時の私にはとにかく折角つくったこの長期休暇に出来るだけ旅行しまくりたい!という希望がありました。
とすると、毎週決まった曜日に仕事が入ってしまうのは困るし、翌年の4月には別の病院の常勤勤務を決めていたのでそれまでの定期非常勤というのも中途半端。それならとりあえず単発のスポットバイトを日本にいる期間にぎゅっと詰め込んで稼ぐようにしよう、と思いました。
医師の単発バイトはどんな内容がある?給料や時給は?
冒頭でも書きましたが、私がバイトのみで半年ほど生活していたのは医師3年目、専門科を決めてから1年経たない段階だったので、出来るバイトは限られていました。
基本的には専門科や経験年数問わず、未経験でもOKな健診、予防接種、療養の寝当直、脱毛のカウンセリングなどなどを詰め込んでいました。
ちなみに救急のバイトが一番割が良いのは分かっていましたが、私は救急で働くのは嫌いなので絶対に救急当直はやらないと決めていました。

この時によく利用した経験不問バイトの内容やおすすめバイトについては↑の記事でもまとめてます。
このニート生活の半年間は健診のバイトをすることが多かったですが、大体経験不問の医師バイトの時給は7000〜10000円くらい、寝当直の場合は夜は時給5000円くらいあれば良いかなという感じでしたね。
医師の単発バイトはどうやって探す?
基本的にはインターネットの医師専門のバイト探しサイトを利用していました。
単発のスポット勤務を探すなら民間医局や医師バイトドットコムなどが求人が豊富なのと成約率が高い印象だったのでよく利用していました。


大手のエムスリーキャリアは利用している医師が多い分常勤や非常勤を探すには良いのですが、スポットは担当もついてくれないし条件の良い求人は埋まってしまうのも早い印象でしたね。
バイトはいくつか登録して空き時間にこまめに検索するのが一番なので、できる限り色んなサイトに登録すると良いですよ!

私は定期非常勤は探していなかったですが、ある程度決まった日程で勤務出来る場合は定期非常勤のバイトを探す方が当然ながら収入は安定します。

医師のバイトだけ生活のメリット
さてさてここから先は医師のバイトだけのフリーター生活をしてみて感じたメリット・デメリットを紹介しようと思います。まずはバイトだけ生活のメリットです。
とにかく自由
メリットはこれに尽きます。働きたい時、必要な時に最低限の勤務だけして後は自由にできる。
当直はしたくないならしなくても良いし、やりたくない仕事はやらなければいい。
面倒な事務作業とか雑務は振ってこないです。
私みたいに数週間働いて、数週間旅行する、みたいな生活も余裕で出来ます。お休み取り放題なので、南米やアフリカやガラパゴス…どこでも行けます。
後述するようにバイトだけ生活は結構細かいデメリットがあるのですが、この「とにかく自由に生活出来る」というのが人によってははるかにデメリットを上回る何よりのメリットになります。
稼ぎのコスパは最強
もう一つメリットは、医師はとにかくバイトの割が良いです。ゆえにバイトだけ生活は労働時間に比して収入のコスパはとても良くなります。
大学病院で働いている先生は、外勤日以外はほぼ休みなく働いてサービス残業もしまくり、休日も出勤して……大学からの給料は10万円程度。
あるあるですね。
バイトは1日で10万円近くもらえるのもザラです。基本的に自分の勤務に比してちゃんとお金がもらえるので、サービス残業はないものがほとんどです。
経験問わずのバイトは専門バイトに比べると時給は落ちますが、それでも7日間くらい働けば50〜60万くらい稼ぐのは割と簡単です。
もう大学病院で働くのがばからしくなっちゃいそうですね。
医師のバイトだけ生活のデメリット
ここまで医師のバイトだけ生活のメリットを書きましたが、実は結構地味なデメリットが多いです。
収入が安定しない・常にバイト探さなきゃいけない
まず真っ先に浮かぶのは収入が安定しないこと。そして常に次のバイトを探すためにバイト情報をチェックしなければならないことです。
医師のバイト自体はいくらでも需要はあるのですが、私みたいに「経験問わず」「救急は嫌」みたいな条件があると結構出来るバイトは限られます。(ちなみにですが、救急がたくさんくる当直を含めると一気に選択肢が広がります)
しかもそういう求人は結構人気だったりするので、見つけて応募してみたら既に充足済み…ということも多いです。
特に休日の寝当直とか脱毛のカウンセリングとかは人気です。
また、関東近郊ほどスポットは沢山ありますが、地方になるとスポット求人はぐっと少なくなります。
仕事を選ばなければバイトが全然ない!なんてことはないと思うのですが、色々と条件をつけると自分が働きたい期間に必ずしも仕事があるとは限らず、なかなか安定して収入を得るのは難しいくなります。
健康保険や年金が高い
バイト生活をすると、常勤として働く場合のように職場の健康保険や厚生年金に入ることができず、「国民健康保険」と「国民年金」に加入しなければならなくなります。
会社を通して入れる健康保険や年金って、保険料の一部を会社が負担してくれているのです。
フリーになって健康保険や年金を払うとなると、「え、保険料ってこんなに高いの??」というくらいの金額が取られます。
組織に属しているということはこういうメリットも意外と大きいのです。
フリーランスで生きている人達はほとんどが多少の保険料値上がりは気にならないくらいに稼いでいますが、自遊人生活しようと思っているなら要注意です。
何かあっても病院がまもってくれない
バイトのみで生活するということはどこにも属さないということ、そうなると自分を守れるのは自分だけです。万が一なにかトラブルが会った時に病院は助けてくれません。
ほとんどの医師の方は医師賠償責任保険には加入していると思いますが、これは必ず加入してください。
施設に限らず適応されるものが多いですが、バイトにも適応があるのかは自分の入っている保険の要項をしっかり確認しましょう。
そして一点注意が必要なのが、多くの医師賠償責任保険は「保険診療にしか適応されない」場合があります。つまり美容などの自由診療には適応されないのです。
脱毛やAGAのカウンセリングで賠償が必要になるような案件があることは稀ですが、例えば美容整形の麻酔バイトなんかをする場合には注意が必要なのでバイト先で別途保険の加入があるかなどを確認した方が良いでしょう。
知識・スキルが伸びない可能性あり
バイトだけで生活をしていくようになると、どうしても知識やスキルは伸びにくくなります。経験不問のバイトなんかは特にです。
仕事自体はほとんど勉強にならないことが多いし、やりがいのない仕事がほとんどです。
また大学医局のように一緒にがんばれる仲間もいないので、自分に向上心がないとなかなか学ぶ環境を得づらいのが事実ですね。
私みたいに半年限定でそんな生活をしてみるのは良いと思いますが、長く続けるには覚悟が入ります。その間にあっという間に知識で置いて行かれてしまう可能性もありますし、バイトだけ生活からどこかに復帰するとなった時に「使えないやつ」認定されてしまうのはやっぱり悲しいですからね。
毎回違う職場に行くのが少しストレス
やっぱり初めての職場に行くのってそれなりに緊張するし色々と気も遣います。毎回違う職場に行くとなると、そこに自分の居場所はないし居心地が良いとは決して言えないですよね。
私が今まで単発バイトで行った先は看護師さんなどのスタッフもとても親切でフレンドリーな方がほとんどで、バイト先でそれほど嫌な思いをしたことはありませんでした。(しいて言うなら病院が汚くて嫌だなと思ったことくらいですね)
だけどやっぱり気心知れたスタッフと働くのとは全く違うので、大病院のコマとしてせこせこ働き、サービス残業しまくるのとは違ったストレスがある場合もあります。
資格取得に影響する可能性あり
認定医や専門医取得前の人は、取得のために〇年専従として働く、などの条件がある場合は当然ながらバイト医期間はこの専従期間に含められません。
それは勿論私も事前に分かっていて、当然このバイトだけ生活期間は空白として認定医申請するつもりだったのですが、思ってた以上にこの期間は資格取得期間に影響しました。
認定医申請する時に「空白期間はなぜ空白となったかの理由書」を提出しなければならず、この理由によっては各種証明書等が求められました。
「病気」なら診断書が必要ですし、「留学をしていた」なら語学学校の証明書や、「他科で働いていた」場合にはその期間の勤務証明書が必要、など。
まぁ学会も鬼のような機関ではないので、正直に言えば多分なんとかなります。多分。
ただ、各学会によってこうした空白期間の扱いは変わってくる可能性もあるので、資格取得前にバイトだけ生活してみようと思う場合は気をつけた方が良いかもしれませんね。
例えば週3日だけ非常勤として働く場所が出来れば勤務証明が出せると思うので他科勤務にしてしまう、とかですね。
旅行行く時に適宜休んだり他の週にまとめて勤務出来るように調整してもらうとかですね。
あんまり褒められたやり方じゃないと思うので大きな声で広めないでくださいね(*・ω・*)
まとめ – 医師の単発バイトだけで生活していくのは?
昔は医師のバイトは医局を通してでしか出来ないものがほとんどでしたが、今はインターネットでいくらでもバイトが見つかる時代ですからね。その気になれば誰でもこんな生活出来ると思います。
ただ、地方在住でこれをやるのは少し難しいかもしれません。単発のスポットバイトの求人がないので、出来れば関東圏、そうでなくても大阪や愛知県くらいの都会近辺じゃないと単発バイト生活は思った期間にバイトが見つからず難しいかもしれません。
連続当直しながら東京で出稼ぎ…とか出来なくもないですが結構疲れます。
ただ、この記事の中では実際に私がバイトだけ生活をしてみて気付いたデメリットを沢山書いてきたのでデメリットが勝ってるようにも見えますが、バイトだけ生活はほんとに自由でした。
実家でのんびり過ごしたり、なかなか一週間の休みだけではいけないような旅行先にも沢山行けましたし。これは他のデメリット差し引いても良い思い出になったので私は全然後悔はないですね。
ずっとこの生活をしていこうとは思いませんでしたが、期間限定でやってみるのはとてもおすすめです。
2週間働いて2週間旅行に行くみたいな感じの。結婚したらなかなか出来ませんけどね。