医師転職のこと

医局を辞めると後悔する?その不安を医局を辞めた私なりに解決しよう。

医者になったら当然どこかの医局に所属するもののと思って入った大学病院の医局。

ところが働き始めてみると、平日土日関係なく毎晩遅くまで働くにも関わらず、大学病院からもらえる給料はたった20万円程度…もしかしたらもっと少ないかもしれません。

当直や時間外勤務をしても雀の涙くらいの手当しかつきませんよね。

それに加えて毎日教授や上司の機嫌を伺い、ストレスフルな日々を過ごします。都会のインテリ気取り患者の相手をしなきゃいけないと思えば、あるときには車がないと生活出来ないような地方のど田舎に派遣されることもあります。

気付けば週に1回の外勤が唯一の息抜きの時間に…なんてことも。

それで昔ほど医局システムが絶対のものでなくなってきた今、いっそのこと医局を辞めることも可能なのではないか?と考えたことのある先生は少なくないと思います。

しかしいくら医局制度が以前ほど力を持たなくなったからと言ってやっぱり医局を辞めることって色々不安がつきまといます。

今の職場と気まずくなるのも嫌だなぁ…とか、奥さんも子どももいるから安定した収入と生活は壊したくないなぁとか、あるいは海外留学の夢もあるから医局を辞めたらその夢が途絶えてしまうんじゃないか…とかね。

若い先生は「若いうちは多少辛くても我慢するべきだ」なんて言われて、こんな早くに医局を辞めたら後悔するんじゃないか?なんて考えたりするかもしれません。

だけど色んな不安はあるかもしれませんが、今の時代、医局に所属する絶対的メリットは皆無に近いと思っています。

私は医局を辞めました。それも専門医もまだ取れていない医者4年目で辞めるという決断をしています。理由は簡単、上述のような医局の生活が辛かったからです。そんな消極的な理由で辞めて、絶対後悔する!なんて思われるかもしれませんが、私は1mmも後悔していません。

むしろ仕事もプライベートも不満がほとんどなくなり、今までになく勉強にもモチベが上がっていて最高です。

というわけで前置きが長くなりましたが、この記事でのここから先は、「医局を辞めたら後悔するかなぁ…」という疑問に、私なりに答えていこうと思います。多分あなたが考えている不安の90%くらいは後から考えれば取るに足らないことだったなぁと後から思うでしょう。この記事がそんなきっかけになれば良いなと思います。

医局を辞める時にみんなが抱える不安

医局を辞めたら後悔するんじゃないか…なんでみんなこうも不安になってしまうのでしょう?

  • 辞めたら今いる地域では働けなくなるだろうか?医局の人達との人間関係が壊れてしまうのではないか?
  • 医局を辞めたら不安定な生活になってしまうのでは?
  • 若いうちは苦労したり辛いのは仕方ないから、今辞めるのは…
  • 将来海外留学したいけど、医局のコネがなくなったら無理になるかな…

こういう不安を色々抱えている結果、今が辛いのは仕方ない、耐えるべきだ、とか色々考えながら自分を納得させてるんじゃないでしょうか?

わかりますよ、その不安な気持ち!

だって少し前の私も医局を辞めて自分は大丈夫なんだろうか…と色々考えてたんですもの。なのでこの不安に対して私なりに順番に回答していきます。

医局を辞めたら今いる地域では働けない?医局の人との人間関係は続けられない?

働ける病院はいくらでもある!

市中病院のある診療科を見てみると、大学医局の息がかかっていたとしても、医局からの派遣で勤務している人と、直接その病院に就職していて医局には所属していない人がいたりします。

例えば自分がA大学の医局に所属していると、A大学の息がかかった病院に再就職は確かに難しい場合も多いです。

そうはいっても日本のその地域にいったいいくつの病院があると思います?探すと結構見つかります、こんな病院あったのか!みたいな病院。

例えば私は医局を辞めたのは専門医取得前でしたから、専門医取得が出来てかつ今までいた大学病院やそこの教授と仲の悪かった教授のいる別大学の息がかかっていない病院。

探してみると案外いくらでもあります。むしろそれまで大学で土日関係なく当直も時間外もたくさんやっていた私にとって、「週4日勤務、当直・時間外なし」みたいな条件で働ける病院があるなんてことが本気で驚きでした。

どうやってそんな病院探すの?

例えばあなたが専門医取得前なら、「専門医取得のプログラムのある病院」のリストを出して、そこにある病院を順番に眺めてみましょう。出来ればグーグルで一つ一つ検索して、どこかの医局に所属しているか、なども調べてみましょう。

意外とあるんじゃないですか?大学病院に所属していない単体の病院。

いやそんなんめんどくさいし、自分は専門医取得済みだからそんな条件はいらないよ!と思った方は、医師向けの転職支援サービスで相談してみてください。

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基本的に医師はお金は一切かからなくて、自分の希望条件(勤務地域、年収、仕事内容、当直の有無、医局の所属状況など)を伝えれば条件に合う病院を探してくれます。意外とありますよ、あなたの条件に合う病院。

なので今いる地域で働ける病院なんてないかもしれないっていうのはあまり気にしなくて良いところなのです。

医局の人間関係はどうなる?

医局の人間関係も意外となんとかなりますよ。

そんな適当な…と思わないでください(^_^;

一部のトップとは多少気まずくなることもありますが、皆それぞれ大なり小なり医局に対して不満を持っています。むしろあなたの医局を辞めるという選択肢で「こんな道もあるのか」みたいな雰囲気になって周囲は協力的になってくれる人も沢山いました。

みんなが貴方の敵になるなんてことはまずないです。

私も上司に言う時めちゃくちゃ緊張しましたよ、すっごくお世話になったし辞めるなんてよく思われないだろうな…と。でも、人間そんな嫌な人ばかりじゃないです。

勿論中には私が辞めるとなって以降話しづらくなった先生もいますが、なんだかんだみんな自分が思ってるほど他人のことなんて気にしてないんです。

医局を辞めると不安定になる?

そもそも医局に所属していれば安全・安定?

逆に「医局に所属してれば絶対安定」なのでしょうか?

申し訳ないけど、今医局制度って崩壊寸前だと思うんですよ。まぁそれって私みたいな「医局なんて辛いばっかりでメリットないからからいやだー」っていう人達が増えてるからなんですけど。

でも、なんでそういう人達が増えてしまったのか?一番の理由はインターネットの発達で医師が個人で病院を調べて就職することが可能になっているからです。昔は医師のアルバイトなんて個人で見つけるのは難しくて、基本的には医局がその仲介をするしかなかったわけです。

ところが今はネットでアルバイトを探す手段がいくらでもあるでしょう?

医局のメリットが少ないことにみんな気付き始めてる

そうなってくるとどんどん医局にいるメリットはなくなります。劣悪な労働環境でやりたくない雑務をこなしながら上司の機嫌を伺って働く…なんて生活のどこにメリットがあるんでしょう?

市中病院より大学病院の方が勉強になるから?将来的に出世したいから?

大学病院にいるメリットってどんどん薄れているんです。ともすると、そもそも「医局に所属していれば安全・安定」理論がいつまでもつか分からない。

みんながそう考えてどんどん医局を辞めてしまえば医局崩壊に拍車をかけてしまう可能性があるかもしれません。でもそれなら自分が我慢して医局を支えます?他の人が辞めてそのしわ寄せは自分に来るかもしれないですよ?

というわけで、私は自分本位と言われようと被害者になるのは嫌だから辞めました。勝手だなオイ…

でも、みんな嫌でしょう?

若いうちは苦労したり辛いのは仕方ないから今辞めるのは…

「若いうちの苦労は買ってでもしろ」とは…

最初に言っておきますが、私は「若いうちの苦労は買ってでもしろ」っていう言葉があんまり好きじゃないんです。勿論苦労するからこそ自分の経験にプラスになることがあるのは分かってます。

だけど、あなたが今医局で遅くまで残ってやってるその雑務、本当に自分のためになってます?

上司から理不尽に怒られるのも、社会勉強って、それ本当?

なんていうかこの言葉って、若い人に雑務を押しつけるために体よく使われているだけのことがめちゃくちゃあると思うんですよね…

上司の過去の苦労話で自分を責めてはいけない

上司の言うことをを無視しろというわけではないのですが、

「昔はもっと給料も少なかったんだから…」とか、

「俺たちの頃なんて夜中まで手術があるのが当たり前で…」とか、

そういう昔の苦労話を聞いて「自分はまだまだ頑張らなきゃいけないのか…」と自分を責めるのは間違いです。給料や待遇だって時代によって変わるんだから、昔と比較しちゃダメで寧ろ今の現代に同年代の他病院の医師がどんな待遇で働いているかを気にする方が良いと思いますよ。

若いから嫌なことも耐えなきゃとかは必要ない

なので、「医局嫌だから」なんていう消極的な理由で辞めるなんてダメだ…とかそんなに追い詰めなくても良いと思うのです。

若いうちはある程度辛いのはどこの病院にいても同じだと思いますが、貴方のその状況、他の病院で働いている同年代も同じですか?

比べるべきは過去の待遇じゃないし、「若いんだから辛くて当然」ってなんとなく周りが言うから思い込んでいるだけな部分が大きいですよ?

医局を辞めたら留学の道はない?

ここまでで今の時代、医局所属メリットがとても少ないんだという話をしてきました。

ただなんとなくみんなの共通認識である医局のメリットが、「留学は医局のコネがないと行けない」という認識はあるんじゃないでしょうか。

これはまぁ多分そうです。海外留学に関しては医局の後ろ盾がなければ一気にハードルが上がります。例えばアメリカに留学する場合は自分でUSMLE資格を取得して、どこかの病院のレジデントプログラムに応募する…というのは理論上可能だと思いますが、決して簡単ではないですよね。

民間プログラムを利用した留学の道

例えば、東京海上日動メディカルサービスのN Programという、米国の教育病院における臨床医学レジデンシー・プログラムに日系の若手医師を派遣する民間のプログラムがあります。

野口医学研究所の医学交流プログラムも医師向けの「エクスターン研修」などの臨床留学斡旋を行っています。

これらはどちらも臨床留学のプログラムなので、高い英語力が必要となります。大学からの提携で行く研究留学とは比べものにならないくらいハードルが上がりますし、先輩からの情報もほとんどないので難易度は高いです。

あとは市中病院でも部長のコネで独自の留学先を持っているところもありますが、その辺は事前に確認してみないと分かりません。

いくつかの医師転職支援会社では、留学したい医師向けの相談も受けてくれます。民間医局を運営するメディカル・プリンシプル社はMedi-Gateという「医師のキャリアアップ」に力を入れた支援サービスも行っています。

リクルートドクターズキャリアも留学に関するコラムが多く、医師のキャリアアップ支援に力を入れてくれています。

さいごに

というわけで最後に、医局を辞めたいけど後悔するんじゃないかと悩んでいる人に私からメッセージです。

今の仕事、本当にあなたのためになってますか?

忙しいのは当たり前と思いこんで、大量の雑務に仕事奪われてないですか?

私は自分で意識低い系を名乗るくらいですから、修行みたいに頑張るのは嫌いです。でも自分のためになると思ったことは頑張ります。

「若いうちは苦労すべき」っていう体で雑用を押しつけられるのは嫌ですが、英語が話せたら自分のためになる、だから私は何百時間も英語の勉強に費やして、単調で時にはつまらないシャドーイングとか音読をしたり、オンラインの英会話を使ったり独学で英語力はそれなりのレベルになりました。

まぁなのであんまり悩みすぎずに、とりあえず他の病院のことを調べるだけでも調べてみたらどうでしょう?調べる時間もないのであれば、とりあえず会社にお願いしちゃっても良いですし。

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そして私が医局を辞めた時の手順やポイントなどは他の記事にもまとめているので、良かったらこちらも参考にしてくださいね!

【保存版】医局の辞め方ガイド〜私が新しい就職先を見つけて転職するまで最近医局をやめて市中病院で働き始めた6年目医師です。医局が嫌でやめたいと思いつつ、色々しがらみもあるんじゃないかとか悩みながらも転職した経験やその時感じたことなどを全部書いています。...

私は医局を辞めてストレスも減ったし、時間もだいぶ余裕が出来ました。自分の勉強をしたりする時間もあるので、最近はさらに英語力を高める勉強もしつつ、専門医試験の勉強もしたりしています。

これで私が専門医試験に落ちてたら爆笑ものだと思いますが、さすがにこれだけ偉そうなこと書いておきながらそうなったら笑えないので頑張ります。

皆さんも限られた人生、あんまり我慢してばかりなのよくないですよ!

ABOUT ME
えいみー
えいみー
修行や雑用が嫌いな意識低い系ゆとり世代です。なによりもコスパを重視するゆえ、出来るなら必要最小限の努力で立派な医者になりたいです。医局は辛かったので辞めました。要領の良さと見切りの速さがチャームポイントです。医者のQOMLを向上させよう!をテーマに情報発信するためのブログ書いてます。
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