医師の転職は他職種の転職とは大きく違ってきます。
どれだけ不景気で就職難の時代であったとしても、よほど無茶な条件を出さない限り医師免許を持ってさえいれば、就職先に困るということはほぼないでしょう。
他職種と違い、転職後も職種は「医師」のままということは決まっていますから、仲介業者を通さずに周りの口コミや紹介などで探すという人も多いはずですし、私もそれが一番だと思っていました。
だけど結論から言えば私は転職を考えるのであれば多少なりとも医師向けの転職エージェントを一度は利用するのをおすすめします。
忙しい仕事の合間に転職先を探すのがぐっと楽になるということ、そして現場の人が知らない意外な情報を知っていることもあること、そして信頼出来るエージェントを利用すればデメリットはほとんどないからです。
今日は医師転職エージェントを医師同士のネットワーク、それぞれを利用して転職することのメリットとデメリット、私なりに両方活用して上手く転職するコツをまとめておきます。
Contents
医者同士のネットワークを利用しての転職
なんとなく医者同士の紹介や、知っている先生に聞いた病院に就職するのが良さそう、と思っていませんか?
勿論医者同士の口コミを活用するのは良い面も悪い面もあるのでそれぞれまとめておきましょう!
◎ 医師同士の情報は信用出来る
- 実際に働いているドクターの生の声が聞ける
- 知っている先生の紹介であればより信頼出来る
これは多分その通りだし、私もおおいに賛成です!医者同士の口コミ情報はとても頼りになります。
エージェントがいくら転職のプロとはいえ、医者にしか分からない病院の善し悪しがあると思っています。
- 単純に症例数の多い少ないだけじゃなくて、正しい医療を提供している病院か?
- 手術症例を増やすために薬物治療でも良さそうな患者にも手技を行っているだけではないか?
- ちゃんと医者として成長出来る環境になっているか?
- 偉い先生がいるというだけでなくて、若手もちゃんと成長出来ているか?
こうした数字には表れない現場の医師が感じる評価点というのが沢山あると思うので、知っている先生が「ここに行くといい」と言ってくれる病院があるならそれはやはり業者に勧められるよりも信頼出来るという気持ちには賛成です。
◎ 転職エージェントに出ていない求人が見つかる
転職エージェントには各社1万件を超える求人があるのですが、ここに掲載されていなくても募集している病院はあります。
実際私が転職しようとして探してたら転職エージェントには出ていないけれど募集中の病院はありました。
なので医師同士のネットワークや自分で探してこそ見つけられる求人もあるので、業者に任せっぱなしで自分で全く探さないのは私もおすすめしていません。
なかなか周囲に辞めようと思っていることは今の職場では相談しづらいかもしれませんが、他の病院で働く同級生に相談したりしながら周囲の口コミは活用してください。
△ 医師同士の口コミだけで転職するときに注意するところ
ただ、知っている医者の紹介だからと言って信用しすぎていると失敗することもあります…。
私は以前専門科を決めてどこの医局に入るか迷っていた時は、なんとなく自分が働きたい地域出身の子に「〇〇科で働くならどこが良いかな〜?」と聞きました。
「〇〇科ならあそこの病院とか有名だったはずだよ〜」と聞いて、比較的有名病院に見学に行って、ピュアだった自分は見学時の先生達の言葉をそのまま鵜呑みにして就職し、
働き始めたら聞いてたのと違うじゃーん!
と1週間で嫌になったことがあります。

よくよくふり返ってみると、私は↑の職場を探していた時、知り合いドクターの「あの病院良いらしいよ!」と聞いて、なんとなくもうそこでいいやと決めてました。
それ以上の情報収集をあまりしていなかったんですよね〜。
医師同士の口コミは大事なので折角のネットワークはおおいに活用しましょう!
でもそれだけだと情報が不足しがちなので、私は合わせて転職エージェントも利用することを勧めてるのです^^
転職エージェントを利用しての転職
私も転職業者なんて自分が儲けることしか考えてないんじゃないの??
私達にちゃんと良い情報を提供してくれるの??
と思ってたんですが、情報収集だけでもと思って利用してみると良いなと思うところが結構ありました。
◎ 第三者視点の情報が聞けるのが有り難い
これは私の経験談なのですが、以前私が働いていた職場を辞めようとして転職エージェントのコンサルタントさんに初めて会った時のこと…
コンサルタント「あぁ、ここだけの話、〇〇さん(私)の勤務されている病院は最近転職のご相談が多いんですよ」
と言われた衝撃。
なんかこの時に、あぁ前に今の職場入る時にもエージェントも使ってもうちょっとリサーチすれば良かったな〜と無性に思ったんですよね。
結構コンサルタントさんは病院で働いてくれる先生は教えてくれないブラックな数字、例えばとある病院は離職率が高い病院、ということ等を知ってたりします。
なかなか見学だけでほんとのことを教えてくれるか分からないブラックな数字が、コンサルタントさんのような第三者から聞けることがあります。
◎ 一人で探すより条件が良くなる可能性が高い
そして一人で探すより好条件の待遇に遭える可能性が高いです。
給料や待遇だけで選ぶなんて!という意見は最もですが、給料以外の条件が同じだったら給料の良いところで働きたいでしょ?
想像してみましょう。
あなたはとある名門病院のHPから求人に応募して病院見学、面接といきました。そこで提示された条件を見て、うーん、年収はもうちょっとほしいんだけどな…と思ったとします。
それ、病院の人に言えますか??
なかなかお金もっと欲しいって言いづらくないですか?
でも、業者のコンサルタントさんになら言いやすくないですか?
出来れば年収はこのくらい欲しいんですけど…と。
コンサルタントさんはその条件に合う求人を探してくれたり、場合によっては提示された条件より年収が高くなるように病院と交渉もしてくれます。
交渉をするためのアピール方法についてもプロですから、自分一人で交渉するよりも圧倒的に効果的です。
◎ 医者一人の意見よりn数の多い意見が聞ける
なんとなーく、医師の転職先はみんな口コミで探すものと思ってる人も多いですが、転職エージェントをひっそり利用している医師は意外と多いです。
私が辞めようとしたときに、「あの病院からは転職のご相談が多いです」って言われたという話を先ほど書きましたが、その時私の知る限り特に転職しようとしている素振りのある人は特にいなかったんですよね。
相談してきているのが誰かは勿論個人情報なので教えてくれなかったですが、みんな人知れずひっそり動いているんです。
水面下で動くには色々リサーチとかお願い出来るエージェントはとても便利。だから多分自分が思ってる以上に利用している医師は多いんです。
ともすると、医者同士の口コミとは比べものにならないくらい、彼らは医者の転職に関してはn数を経験しているわけです。
私達の口コミって「あの病院は〇〇で有名」とか、「××の手術で有名な先生がいる」とかそういう情報なわけで、これは勿論大事なんだけど実際そこに就職して満足している医師がいるのか?という情報はとても大事だと思っています。
◎ 書類仕事や雑務が減って楽
単純に、書類仕事とか先方との連絡や面談の日程調整とかやってくれるので楽です。
私は使い比べようと思って8つくらいのエージェントに登録したので最初は連絡を取るのに疲れてしまうんじゃないかと思いましたが、病院探しは勿論、書類仕事や雑務をかなり代行してもらえていたのでトータルでみたらだいぶ時間の節約になったと思います。
後述するようにリサーチに関してはある程度自分でもした方が良いと思いますが、それ以外のサポートも含めるとかなりお得なサービスに感じます。
△ 転職エージェントに出ていない求人があることは注意
転職エージェントに出ていない求人も結構あります。
なのでなんでもやってくれるし全部お任せ〜としてしまうのはオススメしません。
ただ、エージェントから紹介されなくても自分でインターネットで見つけた病院で気になる病院があった場合、コンサルタントさんにそれを伝えれば募集状況や待遇など調べてくれたり、面談の日程など組んでもらうことも可能です。
なので、私はエージェント使いながら自分でもリサーチすることを推奨しています^^
結論:両方使え
結論は、周りの口コミやネットワークと転職エージェント、両方使いましょう。
実績があって信頼出来る会社であれば無理に転職させようと営業をかけられることもないので、
- 職場辞めたいなぁと思ったらとりあえず相談のために医師の転職エージェントに登録
- コンサルタントさんから年収の相場などの情報を聞く
- 条件を伝えて良い求人があれば紹介してもらう
- 自分でも周りの医師や同級生などの口コミで良さそうな病院がないかリサーチする
- 良い病院があったらエージェントで紹介された求人じゃなくてもコンサルタントさんに相談すれば問い合わせもしてくれる
- ③〜⑤を繰り返す
といった感じで進めるのが一番上手くいく流れじゃないですかね。
転職サイトは100社以上あって、どこ使えば良いかわからーーんという人は、私なりに信頼出来て良かったサイトを紹介しているので参考にしてくださいね。
