医者は高収入と言われていますが、実際には子どもの教育にお金をかけたり、海外旅行や車などお金のかかる趣味をもつ人も多く出費も多くなりがちですから、田舎ならともかく都内だとそこまで余裕のある生活を送っている先生は少ないのではないでしょうか。
老後2000万円問題などと言われていますが、自分も含めた20代、30代世代は年金は1mmも当てにしないつもりで貯蓄していかないとダメではないかと思っています…。
さらに言うと医療費圧迫の問題もあり医師の待遇悪化も予想されますし、医師の平均年収も今後下がってしまうんじゃないかと思うんですよ…。
そして人間は一度あげてしまった生活レベルを下げるのは難しいですし、できれば私はリタイア後も旅行にいったり、なんなら世界一周したりするくらいの余裕資金が欲しいと思っています…!
というわけで、今のうちに資産を形成しておこうと考え、私も数年前から株式投資などで少しずつお金を貯め続けています。
医師はいわゆる「就活」をしていない上に、普段の仕事で経済ニュースなどと接する機会が少なく資産形成には疎くなりがちで、カモにされやすいとも言われています。
今日は医師、特に勤務医向けに、
- 投資や資産運用に興味はあるけど、何からすれば良いのか分からない
- NISAとかiDeCoとか聞くけどやった方がいいの?
- そもそも貯金がそんなにないんだけど、投資とかできるの?
といった初心者が順に踏んでいくのにおすすめの資産運用方法を紹介していきます。
Contents
STEP1 収入/支出を見直して余剰資金を作る
まず始めに投資も資産運用も、前提は「お金持ちがますますお金持ちになる仕組み」であって、「お金のない人がゼロからお金を生み出したり、一攫千金を狙える仕組み」ではないのです。
今の次点で何千万も現金がないと投資を始められないわけではないですが、全ての投資はリターンを沢山得ようと思えばそれ相応のリスクを負うことになるので、お金が増える可能性と同時にお金を失ってしまう可能性も高くなります。
「ゼロを100にしようとする投資」をすれば必ず大損するリスクを抱えることになるので、まずは手元の現金を増やすために支出を減らし、収入を増やすのが資産運用計画の第一歩なのです。
支出の見直しの基本
支出を見直すとなると、なんとなく趣味や娯楽費用を削るイメージを持っていませんか?
だけどこういった趣味部分を削ろうとするとストレスも増えがちです。
一見すると見直しが難しそうですが、実は固定費を下げる方法を考えた方が家計に与える影響も大きいですし、ストレスなく支出を減らせる可能性が高いんです。
というわけで見直しやすそうな固定費を上げてみます。
- 住居費
- スマホ代
- 車代
- 保険代
- とりあえず入ってる学会
ありがちですが一番見直しやすいのはスマホ代です。もしあなたがDoCoMo、au、SoftBankなどのキャリアユーザーなのであれば、格安SIM利用にするだけで月数千円、年間で数万円の節約ができます。
私は数年前から格安SIMにしているので携帯の利用代金は月2000円くらいです。
夕方などは少し通信速度が遅くて不便を感じることもありますが、金銭的メリットの方が大きいと感じるのでそこまで気になりません。
そしてなんとなく不安で入ってる保険があるなら、それも見直してみましょう。
保険の原則は「不測の事態に、自分の貯金だけではどうにもならない金額が必要になってしまう可能性」に備えるものであって、「なんとなく不安だから」で入るものではありません。
貯蓄型の保険は不要だと思いますし、独身なのに生命保険に入っているのも意味不明です。高額療養費制度のある今の日本では正直医療保険やがん保険もほぼ不要だと思っています。
保険について詳しい内容は↓の記事でも書いているのでどうぞ!
そして医師あるあるなのが、「とりあえず入ってる学会」の学会費です。
学会費って年間1〜1.5万くらいしますから、あれもこれもと入会していると学会の年会費だけで年6〜7万払っている先生なんかもお見かけしますね。
ちなみに私もやる気に満ちあふれた医師3年目の頃は、「心臓外科麻酔専門医取るんだ!」「小児麻酔認定医も取って、この二つ持ってればきっといくらでも働き口があるに違いない!」と信じてこうしたサブスペの学会にも入会していたのですが、
意識低い系となった今や所属している学会は「日本麻酔科学会」一択です(*・ω・*)
シンプルですね。
収入を増やす方法を考える
支出の見直しをしつつ、収入を増やす方法も考えてみましょう。
しつこいですが、投資や資産運用を始めるためにある程度の種銭となる現金を増やすことが大事です。
株の配当や不動産家賃収入などの不労所得で生活しているような人も、ほぼ例外なく最初はある程度の現金資産を築くところから始めています。
医師の場合は収入を増やすのは他職種に比べて簡単で、「とりあえずバイト」は最適解です。(バイト禁止の病院もたまにあるようですが…)
10年、20年後に今のようなバイト市場があるかは分かりませんが、少なくとも今の次点では医師の給料は常勤<<バイトの状況が多く、医師バイトはやっぱりまだまだ美味しいです。
専門系の求人や救急対応の当直であれば時給1万円を超えるのは当たり前ですし、寝当直でも一晩3〜4万、週末に通しでできれば1回10万円程度稼げる求人はザラです。
月に1回でもバイトをすれば10万円以上収入アップできる仕事って他にないですし、正直活用しない手はないと思うんですよ。
私も最近は手元の種銭が増えてきたのであまり積極的にバイトはしていませんが、医師3〜5年目くらいまでは空き時間に結構バイトしていました。
その時の経験からバイト探しのノウハウなんかも過去記事に色々まとめているので参考にしてくださいね。
あとは無茶言うなよと思われるかもしれませんが、収入を変えたいならすぱっと転職するのも手ですよ。
医師の転職はまだまだ売り手市場なので、QOL高く、給料も高く、な病院沢山あります。
私は医局が辛すぎて2年で辞めちゃってるんですが、今はゆるく週3の常勤(麻酔科の専門医維持に必要なので)+空いた日に麻酔バイトで医局時代に比べてQOLは爆上がり、給料もアップして大満足です。
STEP2 とりあえず基本となる3つのシステムを抑える
ここまでは投資というよりも、まずは種銭を作るためのステップをお話してきました。
実際には今から既に数千万単位の資産を持っていないと資産運用を始められないというわけではありません。
資産運用も基本はコツコツ、毎月一定金額を積み立てるところから始めていけます。
そこでまず資産運用ビギナーの先生は
- NISA/つみたてNISA
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- ふるさと納税
の3本柱を抑えて始めていきましょう。
おそらくいずれもどこかで名前くらいは聞いたことはある、という先生も多いのではないでしょうか?
この3つについてはぶっちゃけて言うなら、
- 対して儲かるわけじゃないけど損もしない
- 銀行に預けたままよりは増える可能性が高い
- まとまった現金がなくても始められる
といったシステムです。
なので大金持ちになれるわけじゃないけど、リスクも低いし使えるなら使わないと損だよね、という仕組みでさほど難しくないので、資産運用を考える方は全て抑えておくことをおすすめします。
NISA/つみたてNISA
NISAについては色々なところで宣伝もされていますから、言葉は聞いたことがある人が多いでしょう。
NISAとは株や投資信託などを取引するときに利用する口座の種類のことで、
「限度があるけどこの口座で取引すれば株などで得た利益に対して税金がかからない口座」
だと思ってください。
なので具体的な投資の方法とか商品じゃなくて、「こんなお得な口座があるんだよ!」というだけの話です。なのでまぁNISA自体は使わないより使った方がお得だけど、そこまで大きく儲かるシステムじゃないんです。
NISAについて色々書き始めるとかなり長くなってしまうので別記事に書くことにして、とりあえずこれからNISAを始める人で「NISAとつみたてNISAどっちがいいの?」「どこの証券会社で口座を作れば良い?」「NISAで何買ったらいい?」などの疑問に私なりの結論だけ簡単に書きます!
- 証券会社は特にこだわりがないならポイントがつく楽天証券で作る
- NISAかつみたてNISAかで迷うなら、つみたてNISAで満額40万/年使って、余剰資金は通常口座で別の投資商品に回す
- 買うのはインデックス投信と呼ばれる商品を、毎月一定額ずつ積み立てる
- 「楽天・全米株式インデックス」「eMAXIS Slim全世界株式インデックス」あたりがおすすめのインデックス投信
というのがNISAの基本の使い方です。
それぞれの理由は機会があれば別途書きたいと思います^^
後述しますが、資産運用初心者の医師が仕事の合間になにか投資や資産運用をするのであれば、個別の株に投資するのではなく、株式市場全体に投資をする「インデックス投資」を基本とするのが良いと思います。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoはよくNISAと比較されていますが、正直まったく別物だし、NISAとどちらかしかできないわけではないのでこちらも必ずおさえましょう。
iDeCoについてかみ砕いて言うなら、「年金のために毎月一定額を積立れば、その積み立てた金額が全額所得控除になる個人で入る年金」だと思ってください。
ポイントは、「積み立てた金額が全額所得控除になる」という点です。
多くの勤務医の先生の場合iDeCoの一ヶ月の積立上限は12,000円なので、年間で144,000円です。
これが全額所得控除になるということは例えば税率が33%のドクターであれば144,000×0.33=47,520円分所得税がお得になっています。
まぁ大した額じゃないと思うかもしれませんが、デメリットがあまりないので使えるなら使わないと損なシステムですよね。
また、iDeCoは積立した金額を自分で投資商品を選んで投資していくので、もしそこで利益が出ればその分儲けがでますし、最終的な受取方法次第でここでの利益も全て非課税にすることができます。
iDeCoで何に投資するかは元本保証を最優先したいのであれば全額定期預金に預けるということもできます。
ただ、今現在定期預金の金利は低すぎておそらくiDeCoの手数料とトントンかむしろマイナスになる可能性が高いと思います(^_^;
iDeCoも上述のNISAのように、インデックスの投信に投資することができるのでこれに入れていくようにしましょう。
ふるさと納税
最後はふるさと納税です。
これは勤務医の先生もやっている方は多いので、既にやってます!という人も多いかもしれませんね。
普通にしていたら所得に応じてただ支払っているだけの住民税ですが、「他の市町村に寄付と言う形で納税すれば、その分通常の住民税がお得になり、なおかつお礼の品物が貰える」というシステムです。
ふるさと納税は所得に応じて一定の限度額までであれば自己負担2000円を除いて寄付した分住民税が安くなるので、所得が高く住民税を沢山支払わなければならない人ほどお得度が高いです。
例えば年収1000万・独身の勤務医なら、年間の寄付金上限は17万円程度です。
何もしなければ17万円ただ支払っているだけですが、ふるさと納税で17万円分どこかに寄付をすれば自己負担は2000円プラスとなりますが、その地域の特産品などのお礼品が貰えます。
お礼品は1万円寄付すれば1万円分貰えるというのではなく、1万円寄付すれば平均2000〜2500円程度(返戻率2割くらい)のものが貰えるケースが多いです。
以前は返戻率50%を超えるようなものもありましたが、最近は色々と規制が強くなり返戻率は3割程度あればかなり良い方だと思います。
なので投資や資産運用とも違うのですが、これも使えるなら使わなきゃ絶対損な仕組みです。
ふるさと納税はどこでできる?
ふるさと納税サイトでよく使われているサイトは、
- さとふる
- ふるさとチョイス
- 楽天
さとふるやふるさとチョイスはふるさと納税専門のサイトで選択肢も豊富ですが、私は欲しい品物があるなら迷わず楽天を利用しています。
というのも、楽天はふるさと納税でも楽天カードを使うと結構な率でポイントが貯まる分めちゃくちゃお得なんですよ。
例えば私は現在妊娠中で来年子どもが生まれる予定なので、最近ふるさと納税でベビーカーとチャイルドシートをもらったんです(*´艸`)

楽天は楽天カードを所有していたり、楽天証券で積立投資設定をしていたり…などの色々な条件でポイントがどんどん加算されるので、基本5%くらいのポイントが常に付きます。
このベビーカーも寄付金130000円と高額ですが、9000円分のポイントがつくって大きくないですか?
楽天は物によってはポイント分入れてもAmazonより高い…ということもあるのですが、ふるさと納税の商品は上述の3サイトで比較するとサイトによって安いということもあまりないので、楽天カードを作って楽天でふるさと納税する、はかなりお得な選択肢です。
楽天カードを持っていない方は新規入会すると5000円分のポイントが付与される特典もあるので、この機会に入会を考えてみるのもいかがでしょう?

おすすめの返礼品はある?
正直ふるさと納税の返礼品は無数にあり、選択肢が多すぎるので自分が欲しいものを貰えばいいのではないかと思います。
少し前までは泉佐野市というところに寄付をすると「返礼品+Amazonギフト券」が貰えるので断トツ人気のふるさと納税先でしたが、これで儲けすぎてしまった泉佐野市は行政に目をつけられてしまい、ふるさと納税から除外されてしまいました(´・ω・`)
私がふるさと納税でよく利用する返礼品の例をあげると、私は果物が好きでよく食べるので旬の果物をよく貰っていますし、旦那さんはお酒が好きなのでお酒を貰ったり、美味しそうなお肉を貰ったり…などで利用しています。
返戻率を計算してなるべく高いものを…というのもいいですが、結局使わない・食べないものを貰っても意味がないので、自分の欲しいものを適当に貰うのが一番良いかなと思います。
特に欲しいものがない場合は「お米」「お水」のような絶対必要になる日持ちするものが良いと思いますよ。
あとは私は以前Amazon価格と比べても返戻率40%くらいで貰ったHITACHIの掃除機を今も使っているのですが、最近はこういったお得な家電は残念ながらあまりなくなってしまいましたね…。
それでも家電や上述したベビーカーなどの大きなものは返戻率3割くらいあるものもあるので、欲しいものがあればお得だと思います。
STEP3 余力でETFを買ってみよう!
ここまでは本当にゼロから資産運用を始めたい人向けに、大して知識がなくてもできる「大きくは儲からないけど損もしないシステム」を利用することを勧めてきました。
- つみたてNISAでインデックス投信積立(年40万)
- iDeCoでインデックス投信積立(年14万)
- ふるさと納税(年収1000万なら年17万くらい)
ふるさと納税に至っては翌年の住民税が減額されるので実質自分の支出は自己負担額の2000円のみですし、勤務医の先生はこれら全部やってもまだ余力がある人も多いのでは?
というか、もし余力がないなら最初の収入・支出の見直しをして余力を作りましょう。
何もしないよりはマシですが、上述の3つをやるだけでは正直そこまで大きな資産は築けません。
最低でも月10万円以上は資産運用に回せる余力を作れるのが理想ですし、勤務医であればバイト1〜2件で割と簡単に達成できると思います。
そしてもう少し余力を何か運用に回すのであれば、まずは個別の株を買うのではなくNISAのところでも少し紹介した「インデックス投資」がおすすめです。
インデックス投資とは、単体の株ではなく株式市場全体に投資します。
日本であれば日経平均株価やTOPIX、アメリカ株であればS&P500やダウ工業平均などのその国の株式市場全体を表す指標(インデックス)を目安として、それに連動するように投資をすることです。
そんなこと言われても「???」となるかもしれませんが、勿論一人でこれらの指数に変動する株式全体に投資するのは困難です。株は最低購入代金というのがありますし、色んな株を少しずつ買う…なんて自分でやるとなればかなりの資金が必要です。
そこで、こういった株式市場全体に投資したい人達から少しずつ集めたお金をまとめて、色々な株式に分散して投資をしてくれるのがインデックス投資信託と呼ばれるものです。
個々の会社単位で見れば倒産してしまったり業績不振で株価が爆下がりしてしまうケースはありますが、インデックス投資をしている株が全て倒産するということはあり得ないですし、株価は長期的に見れば全体として上がっていくことが多く長い目で見れば損をする可能性は限りなく低くなります。
年3〜5%くらいずつでも増えれば、今の銀行定期預金の金利0.2%とかよりは随分夢があると思いませんか?
というわけで、上述の3つのシステムを利用したうえで更なる余剰資金の使い道としては次の2つのどちらかをおすすめします。
- インデックス投信をNISAでない通常口座で積立購入する
- ETFを購入してみる
さて、ここでまたETFとはなんぞ?と思われたかもしれません。
ETFは「上場投資信託」と呼ばれていて、言ってしまえば「中身はインデックス投信と同じ」なんですが株のように上場していて取引ができるんですよ。
両者の違いは色々あるのですが、ETFは投信に比べて持ち続ける場合の手数料が低いことが多くコストを気にしてインデックス投資をする場合はETFを購入する人も多いです。
ただし投信は100円単位などの小さな単位で売買できるのに対して、ETFは単元株数での売買になり、ある程度まとまった額での購入が必要になる場合が多いです。
株と同じように購入時手数料もかかるので、毎月少しずつ購入…とかにすると購入のたびに手数料がかかり逆に割高になってしまうものもあります。
ただ最近はSBI証券やマネックス証券などでは一部のETFの購入手数料が無料になっているので、ETFでも毎月少しずつの購入もしやすくなりました。
ETFを購入してみると個別株投資をする時の買い方、売り方、チャートの見方なども併せて勉強しやすいので、今後個別株投資を考える人に最初のステップとしてETFの購入はおすすめです。
長期視点で購入するのであれば株価やチャートの動きはそれほど気にしなくても良いかもしれませんが、折角なのでチャート分析の基本を勉強しながらやると今後のステップアップにも生かしていけるのではないかと思います^^
↑基本的なチャートの見方について書かれた本も紹介しておきます!
そして初心者におすすめのETFは米国の株式指数S&P500などに連動するものが良いと思います。
私は日本が大好きなのですが、やはり今後の経済の成長性を考えると投資先としてはアメリカが良いと思ってしまうんですよね…。
また、私達はもともと日本円で給料を受けとり、何もしなくても日本の資産が増えやすいです。
単一通貨で資産を持つことは一つのリスク(例えばなにかの経済危機で日本円の価値が極端に下がってしまう場合など)ですし、そうしたリスク分散の意味でも海外、特にアメリカへの投資が最適解かなと思っています。
リーマンショックのように一時的に下がってしまう可能性もあるかもしれませんが、長期でみれば年利3%程度は保って増えてくれる可能性が高いですし、個人的には5%くらいは充分狙えると思います。
年利3%や5%で増えると聞いても大したことないと思われるかもしれませんが、複利効果というのは前年に増えたものが足されてさらに増えていくので意外と馬鹿にできません。
例えば今30歳の先生が毎月10万円ずつ積立、これが年利5%で増えるとすれば、35年後の65歳の時には1億1000万円以上になっている計算です。

元本は10万円×12×35でたったの4200万円ですから、ただ漫然と毎月10万円ずつ銀行口座に貯金しているだけとの違いがお分かりいただけるでしょうか。
STEP1で書いた通り、医師の強みはバイトであり、バイトで月10万円程度の余剰資金を作るのはそれほど難しくないはずです。
老後資産がどのくらい必要かは人によって違いますが、私達の頃にはほとんど年金は当てにならないと考えて運用はすべきです。
ただ、億単位で資産があればそれを少しずつ切り崩しながら生活するとしても残りの資産をある程度運用に回して3%ほどで運用できれば、1億×0.03=300万円くらいの収入があることになりなんとか生活はしていけるのではないでしょうか。
STEP4 もう少し踏み込んだ資産運用をしたいなら…
ここまでは比較的初心者で、特別な知識やニュースを追いかける時間がない勤務医の先生でも取り組みやすい資産運用を紹介しました。
そして医師のように安定収入があって堅実に毎月10万円程度のインデックス積立を続けられれば、個別株などのリスク高い商品を取らなくてもそれなりの資産が築ける可能性は高いんです。
途中にマイホームを購入したり、子どもの留学などで追加の支出が必要になる場合もあると思うので、若いうちはもう少し資産運用にお金を回しておけると良いかなとは思いますが…。
それでももう少し投資について勉強して次のステップに進みたい…という人には、「不動産投資」「高配当株投資」などは選択肢としてありではないかと思います。
高配当株投資の基本
まずは私もやっている高配当株投資の基本を紹介します。
これは単純で、「配当利回りの高い株」を購入して長期で持ち続けるというものです。
配当利回りとは「現在の株価」と「1株あたりの配当」で決まるのですが、当然「現在の株価」は日々変動しているので配当利回りも日々変動します。
配当利回りが高いからといって迷わず購入すれば良いかというとNOです!
株価が下がれば配当利回りは高くなるのですが、株価が下がっているのが企業の業績が悪くて下がっているのであれば配当も減らされてしまう可能性が高いです。
なかには配当が減らされるだけでなく、そのまま倒産してしまうなんてことになれば元も子もありません。
実際には配当の高い企業はある程度成熟した企業が多いので、日本やアメリカの高配当企業で急に倒産というのは少ないのですが、業績不安定な企業で見かけ上配当利回りが高い銘柄は注意が必要です。
なので単に数字だけで買うのではなく、ある程度企業の決算推移などを見て業績が安定しているか、その配当水準が維持できるかを判断する必要があるのでこれまで紹介したインデックス投資に比べると難易度が高くなります。
株式投資にも色々やり方があり、私は成長株投資、高配当株投資を組み合わせていくつか個別株を持っているのですが、初心者には高配当株投資の方が取り組みやすいかな?という印象です。
高配当銘柄を狙うメリット
配当はやっぱり「その都度利益が確定していく」というのがメリットです。
「含み益は幻」とはよく言われますが、買った株価がいくら上昇していようとも、売るまではその利益は決して確定しません。逆に言えば損失も確定しないのでよく「塩漬株」なんてものが誕生するんですけどね。
確実に年数%の利益が入ってくるというのはやっぱり魅力的です。
もう一つ、安定した高配当銘柄は株価が下がると配当利回りが高くなるので、買いが集まりやすく、極端な安値になりにくいんですよ。
例えば安定した業績の企業が配当利回り5%台で推移していると、何かの拍子に株価が値下がりして利回り6%後半くらいになると、そこに割安感を感じて新規に購入する層も増えたりします。
株価の価格は需要と供給で決まるので、欲しい人がいる限り、極端な安値にはなりにくいというのもメリットになります。
配当はできれば再投資しよう
配当は現役時代で本業収入のあるうちは、できれば再投資の資金に回しましょう。
資産運用は元手となるお金が多いほど増やしやすいので、給与収入は配当で得た収入はなかったものと思ってそのまま投資に回しちゃいます!
そうすることで、将来的に大きな資産を築く元手をどんどん増やしましょう。
ただ、配当は受け取る時に一旦税金がかかるので、それなら自社でさらなる利益を出すために更なる投資に回している企業(Googleとか有名)に投資した方が良いのでは?というのも一理あるところではあります。
高配当銘柄を狙うなら、日本株より米株
高配当の企業は日本よりもアメリカの企業が多く、日本は株主優待を合わせないと安定して4%程度の利回りを維持している企業は非常に少ないです(^_^;
私は不要な株主優待を貰うよりお金で貰いたい派なので、アメリカ株を中心に投資しています。
AT&Tやフィリップモリスなど、アメリカの大企業は安定して5%程度の利回りを維持している企業が多いです。
あとは最近は中国株がだいぶ割安感が強くなっていて、物色していると比較的業績の出ている企業で7〜8%の利回りを見かけますが、米中関係次第でかなり経済へのダメージがある可能性もあるので初心者はあまり手を出すのはおすすめできません。
不動産投資の話
不動産については、実は私は中古の区分マンションを2件ほど持っているだけであまり経験がないのでそこまで細かい内容は書けないのです。
というのも、私が本格的に投資や資産運用を始めたのは2016年頃からで、不動産投資に興味を持って勉強し始めたのも2017年頃からでした。
その頃には比較的住宅価格が上がってきていて、少し勉強して物件を探そうとしてもいわゆる「儲かりそうなお得な物件」というのが私達一般人の手に届く市場になかなか出てきていないんですよ。
不動産は購入するタイミングがかなり重要なので…。
それでも経験豊富なプロの目から見れば良い物件というのはあると思うのですが、なかなか自分達末端の人間が探せる情報の中には少ないです。
それでもこれなら失敗する可能性は低いだろうと思い購入して今持っているのは23区内の駅近(徒歩2分くらい)中古の区分マンションです。
一応月々プラスのキャッシュフローがあり、今のところは空室もなく月数万円程度のプラスになっていますが、正直私のやっている区分マンション投資はリスクの割にそこまで大きく儲からないですし今のところあまりおすすめはしません。
不動産投資については以前の記事で勤務医で複数の不動産を所有しているDr.T先生にインタビューをしたことがあるので、こちらの記事が参考になるかと思います。
あとは私のつたない知識で書ける範囲のアドバイスとしては、
- 業者が積極的に勧めてくる物件は間違いなく儲からない
- 新築ワンルームマンションは99%儲からない
- 節税目的だけで買わない
- 節税を売りにする物件は99%儲からない
というあたりを肝に銘じておくのが良いかと思います。
特に勤務医の先生はよく職場に「マンションを買って節税しませんか」という電話を受けたことがあるかと思いますが、こういった電話の物件は120%儲からないのでぜ〜〜〜ったいに辞めた方が良いです。
不動産投資は動く金額が大きい分ためらいがちですが、そもそも株式投資にもある程度リスクがあるわけで、そのリスクの一つだと思えばきちんと計算して買えばリスク・リターンのバランスが取れた投資商品になると思います。
まとめ
勤務医の先生がゼロから資産運用を始めるうえで何をすべきか、比較的簡単に利用できるシステムを紹介しつつまず最初にやるべきことをいくつか紹介しました。
資産運用のやり方は一つではないですが、ここで紹介したNISAやiDeCoなどは順番として最初に手を着けるべきシステムです。
医師は忙しくてなかなか投資に避ける時間も少ないかもしれませんが、今の医師ならバイトを使って月いくらかの余剰資金を作るのは比較的簡単だと思います。
- バイトなどを活用して月10万円程度の余剰資金を作る
- この資金でインデックス投資を行い年3〜5%の複利運用をする
これをベースとして資産運用をすれば、大金持ちにはなれないと思いますが、将来的に家族を持っても、たとえ年金がほとんど貰えなくても、そこそこ余裕をもった生活が出来るのではないでしょうか。