試験・学会対策

麻酔科専門医試験の勉強法や合格率などまとめるよ

お久しぶりの更新になってしまいました!

しばらくブログ更新が出来なかった理由はですね、出産していたり、あつ森にハマっていたり、そして何よりも麻酔科の専門医試験を受けていたのです。

私もついに専門医試験を受けるような学年になってしまいました!

こういう試験は国試以来だったんですけど、やっぱりしんどかったですね。

専門医試験って自分の専門分野だしそこまで勉強自体は嫌じゃなかったりします。

ただ何が大変って「働きながら勉強する」ってのが結構大変なんですよ。

ちなみに私の場合はちょうど出産して育休中だったので子育てしながらのお勉強だったんですけどね…。

育休終わって「仕事×子育て×家事×勉強」になってたらもっと大変だったかもなーと思うので、このタイミングでなんとかなって良かったかなとは思ってます。

無事合格することが出来たので、私の専門医試験の経験談と、自分や周り含めた勉強法なんかも色々感じたことがあるので今日はその辺まとめておきます!

「過去問って何年分解けばいい?」「過去問何周した?」「いつから勉強始めた?」「口頭試問ってどうやって対策した?」

ここら辺のこと中心にまとめときます。

いつから勉強始めるべき?

まずいつから勉強始めるべきなの?ってとこからなんですが、私の周りでも色んなパターン、色んな意見がありました。

真面目で優秀な先輩A
真面目で優秀な先輩A
専攻医1年目の頃からパラパラ見てたよ
ちょっと怖い上司B
ちょっと怖い上司B
GW終わるまでに過去問1周目が終わってないやつで受かるのは見たことないわ

…と色んなパターンがあるわけですが、普通にフルタイム働きながら勉強するのなら遅くとも専門医試験を受ける年の4〜5月頃には勉強を始める人が多いと思います。

ちなみに私は4月に出産予定だったのでとりあえず産休に入った3月から勉強を始めようとしたんですが、結局産休のほとんどの時間はあつ森に費やしてしまいました…。

お気に入りのお花レシピたち
お気に入りのお花レシピたち

そんなわけで産後はばたついていたのと、やっぱりなかなかあつ森が辞められなくて、7月頭くらいからようやく本格的に勉強を始めました。

その代わり家事代行を使いつつ家のことは最小限にして、平日は子どものお昼寝中や夜寝た後、夫が休みの日には授乳以外は子どもを見ていてもらったりしてそこそこ勉強時間を確保しました。

働きながらの勉強大変だと思うので試験前なんかは家事代行特におすすめです。

後述しますが筆記試験の過去問は5年分×3周が最低ラインだと思うので、自分のとれる勉強時間と相談しながら新年度が始まる頃に開始するのがいいかと思います。

それぞれの試験対策

筆記試験

おそらく一番時間をかけて対策するのが筆記問題だと思います。

というもの口頭試問や実技は普段の臨床麻酔をやっていればそれなりに身につく内容が多いのですが、筆記試験は細かい生理学・薬理学etcがふんだんに盛り込まれているので、勉強しないと100%受からないからです。

ここは一応私なりの勉強法アドバイスを細かく書いてみます。

私のやった勉強
  • とりあえず過去問5年分×3周をざっくり
  • 知識整理したいところは適宜ノートをつくる(ただし深入りしすぎない)
  • A・B問題の中で3周目で間違えた問題を抜き出してノートにまとめる、これを直前に見返す

筆記試験の基本

知らない方のために筆記試験の概要をざっくり書いておきますと、筆記試験は3パートに分かれてます。

↑が2020年の実際のタイムスケジュールです。

A問題…全てプール問題で過去問から出る。90問で試験時間105分。

B問題…新作問題、来年以降のプール問題候補。55問、100分

C問題…臨床問題で毎年全て新作問題。55問、110分

問題数と試験時間を見て貰うと分かると思いますが、A問題は1問あたり1分ちょっとしかありません。

つまりはみんな過去問何回も解いてる前提でもう反射で解けるよね?くらいに思われてます。(実際そんな感じなんですけど)

B問題、C問題は毎年よくそんなに新しい問題考えつくな…と思うくらい難しくて当日終わった後に絶望するかもしれませんが、出来てないのはみんな一緒なのでそんなに落ち込まなくて大丈夫です。

受けてる時はこんな感じです。

自分の受けた時の手応え的にはA問題で9割ちょいとって、B・C問題は半分くらい出来たかなぁという体感で受かってました。

ちなみにスケジュールを見ると分かると思いますが、試験当日はお昼休憩、みたいな時間はなくて各パートの間に15分程度の休憩があるのみです。

ただ、途中退室可なので早めに終われば途中で退室してその間に食事を摂ったりすることは出来ます。

過去問で勉強してればどのパートもそこそこ時間は余ると思います。

まずは過去問5年分×3周

先ほども少し書きましたが、とにもかくにも過去問を5年分×3周を最低ラインとしてやりましょう。

とはいっても、やってみると分かるのですが重複している問題もありますし、2周目、3周目とするにつれてスピードは上がるので案外いけます。

あと大事なのは「そんなん知らんわ!」みたいな問題は深く考えすぎず、次にいった方が良いです。

大事な部分は繰り返し出題されているので数年分解くうちに「あぁこれは覚えておかなきゃいけなさそうだな」みたいなのが分かってきますし、2〜3周目からは自然と覚えられる問題も出てきます。

あくまでざっと5年分を繰り返す、これを目標にします。

間違っても、分からない部分をしっかり理解するまでミラー麻酔学を読み込む…なんてことをしてはダメです。

普段の勉強にはともかく専門医試験の勉強でそれは禁忌です。

あとは可能なら分野ごとにやったら効率良い気がしました。何か知識をつける時ってある程度まとまった時間使った方がいいので、「吸入麻酔の問題」「筋弛緩の問題」とかで解けるようになってると良いんですけどね。

問題集の構造がそうなってないので、やるとしたら自分で関連問題探しながら…とか出来たら良いですけど難しいかな。

ちなみに過去問の最新版は毎年麻酔科学会の時期(5月末〜6月頭)に発売されます。

ノート作るといいよ

この辺は勉強のやり方としてそれぞれあると思うので絶対ではないのですが、先輩や周りの同期なんかもノート作りながら勉強するといいと言ってましたね。

問題解いてると、案外基本的なところで「あれ、私この辺ちゃんと理解出来てなかったかも…」みたいな部分も見つかったりするので、ポイントをまとめたノートを作るといいなと思いました。

書くと意外と頭の中が整理されたりもしますし。

私の場合は↑のような「この機会にちゃんと知識整理しとかなきゃ」みたいなのを項目ごとにまとめたノートと、試験直前に見返す用のノートを作ってました。

私はアナログ嫌い人間なのでiPadのノートアプリ使ってました。

GoodNote5というアプリが人気なんですけど、個人的にNoteshelfというアプリが気に入っているのでこれでオリジナルのノート作ったりしてましたね^^

教科書も電子書籍で結構持ってたので、図とか切り貼りして書き込めてとても便利です。

ただ繰り返しますが深入りしすぎない方が良いです。

ミラーなどの教科書を何時間もかけて読み込まないと理解出来ないような問題は潔くスルーして、直前に答えだけ暗記するつもりでいかないと泥沼になります。

余裕があるなら過去問は6年分

先ほど過去問は5年分×3周が最低ラインと書きましたが、余裕があるなら6年分やれると良い気がします。

私は5年分しかやってないのですが、全てプール問題のA問題でも90問中10問くらいは見たことない問題がありました。

周りも6〜7年分やってる人は結構いて、意外と昔のところから出てるよね、とのことです。

とはいっても、出題のされ方が違うだけで同じような内容が出題されてるだけの問題もありますし、5年分しっかりやりこめばA問題は9割以上取れると思いますし、受かると思います。

時間に余裕がなかったら新しく過去問を解くよりも次で書く5年分の過去問の中で間違えた問題を見直し、暗記する時間に割り当てた方が賢明かと思います。

最後にA・B問題の間違い箇所を見直す

直前はとにかくA・B問題を完璧にしておきましょう。

私は5年分×3周した後で「これいっつも間違えるなー」「ここ覚えられないわー」みたいな問題はもう答え丸暗記しようと抜き出して直前見直しノートにまとめました。

とにかくプール問題のA問題はこの直前の詰め込みで少しでも点数を稼いでおきたいので、直前数週間はとにかく過去問のA・B問題の復習に充てられると良いと思います。

当日会場へ向かう最中や試験の合間に見直すものがあるとなんとなく気休めになりました。

繰り返しですが、本番のB・Cの新作問題は毎年みんな「???」いっぱいで解いてます。プール問題のA問題を確実に取れれば大体の人が受かってると思います。

口頭試問

正直口頭試問は当たる問題でかなり難易度に差を感じるうえに、どうしても試験官の主観が入っているし、公平性のかけらもない試験だと思ってます。

とはいえ、ある程度対策をしたうえで、運に身を任せるしかないのでがんばりましょう。

口頭試問概要

試験はポートピアホテルの個室で一人ずつ行われます。

入り口入る前に簡単な患者さん情報の書いた紙を渡されます。例えばこんな感じ。

63歳男性、身長172cm、体重65kg。高血圧、高脂血症で内服中。気管支喘息で吸入薬を1日2回使用している。胃がんに対して幽門側胃切除が予定された。

最初に貰える情報はこのくらい。

入室前に5分ほどこのメモを見た後に、入室して口頭試問スタートです。

口頭試問部屋のイメージです

最初に渡された情報からどんどん話が進んで質問が展開されます。

  • この患者の問題点をあげてください
  • 麻酔はどうしますか
  • 喘息発作が起こりました、どうしますか。
  • 血圧が下がりました、どうしますか。

ちなみに最初の情報を見せられた時点でボールペンを渡され、5分間で自由にメモをして良いと言われます。

この間に、ほんの数行の情報から今後どんな質問が来るかを予想しながらその場合に答えるべきことなんかをメモしておきます。

基本は何かしらトラブルが起こるストーリーなので、突然予想外のトラブルが起こったりもします。

明らかに気道困難が予想される患者にプロポでがっつり寝かせたり、局麻を極量以上に入れたり…と「お前何やっとるんや」という展開も多々あります。

あとは術後ICU管理や慢性痛の対処など複合的な問題も結構あるので、オペ麻酔しかしていない人はその辺はちゃんと対策が必要かと。

事前情報では一人あたり大問が2問あると聞いていましたが、私が受けた2020年は大問1問の一発勝負でした。(コロナのせいかな?)

口頭試問の対策

対策はとりあえずみんな青本を見てます。

青本ってのは公式に発売されているテキストではなくさらりーまん麻酔科医先生という方が作成してくださっている口頭試問対策の資料です。

いやーこれ24000円で全国の麻酔科専門医試験受験生が買うのよ、いい商売だよね…私も作って売ってみようかな…(ry

なんていうのは冗談ですが、過去の口頭試問の問題について解答サンプル、必要な基礎知識、各分野ごとの想定問題なんかも作ってくれてて個人でこれ作ってんのすご!って感じです。

ちなみにこのさらりーまん麻酔科医先生、一度口頭試問に落ちているそうな。

まぁ最初に書いたように運要素も強い試験なので仕方ないですね。

「落ちた人の作った本なんか…」って言ってる人もいましたが、ほとんどの受験生がこれを見て勉強して受かってるので、大人しくみんなと同じことしとけば良いんだと思います。

口頭試問は基本は普段の臨床でやっていることをベースにすればいいと聞いていたので、私は筆記試験まではひたすら筆記の勉強だけしていて、口頭試問は筆記が終わってからの約1週間で↑の青本を見ながら勉強しました。

あとは一応「口頭試験の達人」という本も先輩に貰っていたのでチラ見しました。

少し古いですが、口頭試問で問われる内容について考え方とか基本的なことが上手くまとまってると思うので、苦手な分野なんかがあればその部分だけ読んでみても良いと思います。

頭では分かっていてもいざ試験の中で「はい、対処法を全て述べてください!」って言われてもなかなか口をついては出てこなかったりします。

出来るだけ直前には声に出した練習をしましょう。

同期や配偶者に試験官役をやってもらえると良いと思います。(私はめっちゃ夫に試験官やってもらいました)

ちょこっと裏話?

口頭試問は全員が同じ問題に当たるわけではないので、どうしても問題によってある程度難易度に差があると思います。

問題ごとの平均点に大きく差がついた場合には、調整が入ったりすることはあるようです。

質問ごとに配点も違っていて、一般的な問題の配点が高く、「そんなんみんな知らなくない?」みたいな質問は意外と配点が低く設定されていたりすることもあるようです。

この辺は噂で聞いた程度なのでどこまで本当か分かりません。

実技試験

実は私の受けた2020年はコロナウイルスの大流行により実技試験は中止になりました!

中止というか正確には「各施設で評価」ってことで、所属プログラム責任者の先生に評価表を提出してもらうってことになりました。

いや、、まぁラッキーなんだけどさ、そんなテキトーな感じで実技を流すならもう口頭試問もナシでよくない…?

まぁナシにしないまでも記述試験にして会場分散するとかさ…?

たった20分の口頭試問のためだけに神戸まで行かなきゃならないとな…

意地でも口頭試問はやるっていう学会の強い意思を感じました。

そういうわけで実技に関しては全くもってアドバイス出来ないんですが、私が先輩から聞いていたのは、

基本は普通に麻酔科医として働いていればOK、ただ麻酔器点検が一定確率出るから学会の出してるガイドラインみたいなの読んでおいた方が良いよ

とのことくらいです。

その他諸々の疑問に答えときます

筆記試験過去問の正答・解説に納得がいかない

うん、分かります。あるよね、そういう問題。

これは専門医試験の問題作りとかしてる先生に聞いたんですけど、臨床なんかで意見の分かれる可能性のある問題については「ミラーに書いてあることを原則正解にする」としているそうです。

だからといってミラーを読み込むのはおすすめしませんが(何度も書いてるけど)、試験上の正答は(多少実臨床での自分の意見と違っても)「コレが正解!」ってことで覚えていくしかないですね。

iPadとかのガジェット類は試験会場に持ち込めない?

これね、私事前情報で先輩から「紙媒体のものしか持ち込めない」みたいな情報を聞いてて、直前見直しノートは紙媒体で作ったりしてたんです。

結論から言うと筆記は休憩時間にiPadでも何でも余裕で見られます。

途中退室したら結構時間もあったりしますし、デジタル勉強派の人は無理して紙媒体に変える必要はないでしょう。

口頭試問については、集合場所に集まって試験会場となるホテル個室への移動が始まると紙媒体含め一切の資料は見られません。

集合場所に集まってからは電子機器の電源は切るように言われるので確かに紙媒体しか直前は見返せないのですが、ただほんと15分かそこらなんですよね(^_^;

しかも緊張しててあんまり頭に入ってこないので…まぁ普段の自分が勉強しやすい方法で良いのでは?って感じです。

試験はスーツで行った方が良い?

筆記試験は普段着で全く問題ないと思います。

スーツの人、いたかなぁ…?くらい。

口頭試問は8〜9割くらいの人はスーツでしたが、一応学会によると普段着でOKだそうです。

そういう私は口頭試問も私服で行きました。(荷物増えるの嫌だったし、きれいめな感じの服装で行きました)

試験官やってた先生から「昔ジャージで来た人がいてさすがにひいた」という話を聞いたりしましたが、極端な格好じゃなければスーツにこだわらなくても良いと思います。

合格率ってどのくらい?

はっきり公表されていないのですが、たぶん全体で8割くらいなんじゃないかなぁという気がします。

一応麻酔科は他科と比べても「専門医試験が難しい科」の一つと聞きます。

他科だと2ヶ月くらい前からちょこちょこっと過去問解けばオッケー、みたいな科も聞きますし。

ただ周りで落ちてる人は口頭試問落ちが多くて、筆記で落ちたという人はほとんど聞きません。

大学病院で働いてた方が合格率は高い?

これもはっきり分かんないんですけど、あんまり関係ないんじゃないですかね。

大学病院のメリットは、

  • 同期や学年の近い先輩がたくさんいて試験に関する情報を得やすい
  • 勉強会などが頻繁にあったり、口頭試問の勉強会とか開かれたりもする

私は大学辞めちゃった人ですけど、良い同期に恵まれていて医局にいた頃の同期LINEでみんな専門医試験に関する情報交換出来てすごく助かりましたね〜。

逆に大学のデメリットって市中病院に比べて雑務が多くて勉強時間は確保しづらかっただろうなと思うので、そういう意味で私はちゃっかり良いとこどりしてたかもしれませんね。(てへ)

個人的には大学病院なんて辛いなら辞めちゃえ辞めちゃえ!と思ってるので、専門医取得要件を満たせるなら大学とか市中とか気にしなくて良いのではと思います。

どんな人が落ちるの?

自分の知っている範囲で落ちた人は数人知っています。

ただほとんどが口頭試問落ちで、筆記で落ちたという人は自分が直接知る範囲ではいません。(人づてですが、ミラーを読み込んだりして効率よく勉強出来ないタイプの人が落ちたという話は聞いたことがあります)

口頭試問は当たる問題が人によって違ううえに、評価も試験官の主観がどうしても入ってくるので、ぶっちゃけ運要素がある気がします。

自分の周りで落ちた人も、「え、あの子が!?」と思うような人ばかりで、逆に「こいつやばいだろ」みたいな人は大体受かってたりします。

うーん…専門医試験、全然機能してない。

一応今は口頭試問の試験官も過度に圧迫してくる人はほとんどいないらしく、自分も周りも「試験官は優しかった」という意見ばかりでしたので、「試験官に圧迫されて頭真っ白になって…」というのはあまりないみたいです。(昔はあったらしい)

専門医ってそもそも必要なの?

迷うくらいなら取っておいた方が良いと思いますよ。

長いものには巻かれろの精神です。(適当)

長くなってきたのでこの辺で唐突に終わりにしようと思います。

これから試験を受ける先生方の参考になれば嬉しいです。

それでは!

ABOUT ME
えいみー
えいみー
修行や雑用が嫌いな意識低い系ゆとり世代です。なによりもコスパを重視するゆえ、出来るなら必要最小限の努力で立派な医者になりたいです。医局は辛かったので辞めました。要領の良さと見切りの速さがチャームポイントです。医者のQOMLを向上させよう!をテーマに情報発信するためのブログ書いてます。