「医者の投資は失敗する」とか、「医者は投資に向かない」なんて書かれているのをみたことはありませんか?医者ってそれなりに高学歴で頭も良いはずなのになぜこんな風に言われてしまうのか、その理由を知ることで投資で失敗するリスクもずっと低くすることが出来ます。
そこでまずはこの「医者の投資は失敗しやすい」と言われる理由と、そんなお医者さんの投資戦略について、私見ですが書いてみようと思っています。
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医者はなぜ投資に向いてない?

この問いについての一般解は、「お医者さんは忙しくて自分で投資について勉強したりする時間がないから人に勧められる商品をなんとなく買って失敗する」というのをよく見かけます。
これは間違いないのですが、別に仕事が忙しいのなんて医者だけじゃないと思うのです。この理由は説明不足だと私は思っています。
私は最大の理由は「医者って経済とか金融の知識に乏しくて、社会情勢に疎いから」だと思うのです。
医者が経済や金融の知識に疎いワケ
厳密に言えば、「医者は高学歴の割に経済や金融知識に疎い」という感じですかね。
- 高校時代理系選択で社会をあんまり勉強してない(政治・経済とか選択しない)
- 就活してない
- 仕事柄そういう知識が一切不要
私も高校時代は政治経済は授業すら受けたことがないですし、選択していたとしてもセンター試験の知識で終了してたと思います。
そして大企業に就職しようと思ったら就活の面接に備えて日経新聞を購読したりするとも聞きますし、就職に備えて社会のこととかちゃんと勉強しようとする方が多いのです。そして会社で働いているとある程度ビジネスの知識が必要になり、仕事内容次第では働きながら経済の知識もつきます。
ところが医者の就職は一般の就活とはかなり異なっています。そもそも需要>>供給なので就職難で苦労なんてしませんし、就職時に求められるのは「医師免許を持っている」ことと「最低限のコミュニケーション」だけです。まぁ後者は持ってない医者も沢山お見かけしますけどね(´・ω・`)
そして医者は日常の仕事をしていく上で、「社会情勢とかの常識」や「ビジネス知識」といったものが一切必要ないです。こんなに社会知識を必要としない仕事も珍しいのではないでしょうか。
先日同年代の女医さんが、
「私常識ないから、常識がなくても出来る仕事に就けて良かった。」
なんて言ってて、世間から見たら嫌みにすら聞こえるのかもしれませんが、「医者って常識がなくても出来る仕事」ってその通りだと思うんです。
サラリーマンの兼業投資家の方の多くは経済や金融のベース知識は持っていた上で日々少しずつ情報収集を仕入れていけば投資の勉強もしやすいのかと思います。
でも、医者はこれまでの経済や金融の知識がない上に、本業の仕事内容とは関係ない知識ばかりすぎて、投資の勉強をしようと思っても新聞の経済ニュースも分かんないし、そもそもその辺の基本事項が多分完全にちんぷんかんぷんです。
ともなると、普段の仕事もそれなりに忙しい中で、ゼロから社会のこととか勉強するのは結構な労力が必要です。
普通に医者の仕事をしていれば、リストラもないし生活していくのに不自由のないそれなりのお金は稼げる。
だからわざわざ自分で勉強してまで投資をしてみようとは思わない。
以上から「お医者さんは忙しくて自分で投資について勉強したりする時間がないから」というところにまとまっているわけです。
私が医者も資産運用をした方が良いと思う理由

ところで、そもそも医者ってそれなりの高給取りなんだし投資とか無理してしなくても良いんじゃない?
…なんて思っている方!
確かに医者はそれなりの高給取りで安定職、でもその分税金も結構取られています。
おそらく医者の年収の中央値付近であろう年収1000〜1500万円くらいの範囲は税率も高くて手元に残る手取りはなかなか増えないゾーンです。子どもの教育費にもお金をかけてしまったりと支出も多く、家族もいるドクターは意外とカツカツなことも…。
おまけにドクターは異動が多いことや、時間外労働の給料が多く基本給がそれほど高くないこともあり、退職金があまり期待出来ない人も多いのです。
また、これから先は医療費圧迫が進む問題から診療報酬の改定が起こり、医師の収入も今より落ちてしまう可能性もゼロではありません。
私もそうですが老後に海外旅行しながら経済的に豊に暮らしたい、と思うなら貯金だけは不安です。
投資や資産運用を始める前にするべきこと
さて、医者にむいている投資を紹介する前に大前提を言います。
投資は基本的にお金持ちがますますお金持ちになるための方法であって、貧乏人が一攫千金を狙うものではありません。
別に私は医者が貧乏だとか言いたいわけでなく、支出が多くてなかなか貯金が増えない、お金が足りないから投資で副収入を得ようと思っているのであればそれは間違い。
投資はリスクとリターンが表裏一体なので、少ない元手で大きなリターンを得ようとすると大きなリスクを負わなければならず、たいていの人は失敗します。
なので目下のお金が欲しいならバイトしてください。
投資云々について語っておいてバイトを勧めるのかよ!と思われるかもしれませんが、医者ほどバイトの割が良い仕事ってないじゃないですか!
出来るだけ元手を作った上で、ローリスクローリターンで運用出来る商品に投資しながら将来の資産を作る、それが一番安全かつ早道だと思っています。なので私も投資だなんだ偉そうに言いながらめっちゃバイトしてます。そしてバイトで得た資金を株やらなんやらに突っ込んでますね。
自分の勉強時間を削りたくないので寝当直とかのゆとりバイト中心ですが。
週末に療養などのゆとりバイトするだけでも1回10万くらい稼げる求人は沢山あるので、ちゃんと余剰資金を作ってからこの先は読んでくださいね!
医者に向いてる投資や資産運用は?

さて、実際には医師が投資を始めようとすると上述のように医者はもともとの金融知識が乏しいことも多く、株やFXなんかに軽い感じで手を出したり、業者の言うことを鵜呑みにすると痛い目に遭う可能性がとても高いです。
これから投資や資産運用のことを勉強しようにも、趣味で勉強するならともかく、お金のために投資の勉強!となると挫折してしまう人も多いんです。
先ほど私は資金作りのためのアルバイトを勧めましたが、医者はアルバイトの時給も高いので「これならバイト増やした方が…」となって諦めちゃった友人ドクターをいっぱい知っています。
そこで、あんまり投資とか分かんないけど、将来のことを考えて何か投資や資産運用をしてみたい!と思う方はどうするべきなのか、何から始めるべきなのかについても若手ドクター向けの内容を別記事でまとめました!
というわけで↑の記事を参考にしてほしいのですが、ポイントとしては、
- 収入/支出を見直して毎月の余剰資金を作る
- まずはNISA、iDeCo、ふるさと納税の大きくは儲からないけど損もしにくい資産運用&節税システム3つを抑える
- 更に余剰資金でインデックス投信orETFを購入
- 興味があれば個別株や不動産投資を考慮
最初に書いたように医師はバイトで比較的簡単に収入を増やしやすいので、少しだけ休日に頑張って月10万程度の余剰資金を作ることが比較的簡単です。
そしてこの月10万円の余剰資金を毎月「インデックス積立」と呼ばれる手法で少しずつ資産運用に回していけば、特別な知識を持っていなくとも30年ほどでそれなりの資産を築ける可能性が高いんです。
勤務医でこの方法だけだと超お金持ちにはなれませんが、老後2000万円問題が叫ばれていた今日この頃でも将来的にそこそこ余裕のある暮らしが出来るくらいの資産は充分に貯められますし、医師の仕事をしながら何かしらの資産運用を考えるのであればこのくらいの資産運用がちょうど良いのではないかと思います。
勿論もっとがっつり稼ぎたいと考えるのであれば、色々勉強して積極的な投資をしていくのも悪くないですけどね。
安定職だからこそ、ある程度リスクを取った投資が出来るという見方もありますし。
後述しますが、私のブログでは実際に投資でそこそこ利益を上げているドクターにインタビューする企画記事も書いてますのでこちらも良かったら参考にしてください^^
本当に何も考えずにやるならロボアドバイザーも悪くない
最初話題になり始めた頃は手数料も高そうだし、信用出来ないんじゃ…と思ってましたけど、試しに1年ほど続けてみると意外と悪くないかなとなったのがこのロボアドバイザーです。
ロボアドバイザーなら自分のライフスタイルに合わせた投資商品を紹介してくれるという点で始めてるドクターも多いです。
毎月一定額を自動で積み立てる「積立投資」がオススメです。ドルコスト平均法&複利の効果で投資の知識がない人でもリスクを抑えて資産運用が出来ます!
↑の記事でも書きましたがロボアドバイザーならウェルスナビがおすすめです。
私も毎月いくらかお金を入れてるので、どうやって始めるのか等分からない場合は参考にしてください。
そして更に1年ほどウェルスナビで積み立ててみた結果を公開してみました。
興味はあるけど実際どうなの??と不安な方はこちらの記事もどうぞ参考にしてください^^
医者の不動産投資について
最後に、医者の不動産投資について少しお話しておこうと思います。
医者をやっているとおそらく誰でも一度は病院にかかってくる不審な電話を経験したことがありませんか?なんでこの番号に直接かけて来れるんだよこの人、というあれです。
この病院にかかってくる不審電話は十中八九、「節税のために不動産を買いませんか?」という内容です。「高収入のお医者様にはぴったりの投資です」などと言って誘われますが、不動産は中途半端に手を出すのは絶対にオススメしません。
私も不動産投資は興味があったので、企業の開催するセミナーに参加してみたりしたこともあります。
そして決まって言われるのが「不動産で節税しましょう」という話です。なぜ不動産で節税になるのかが分かっていない方はこちらを参照してください。
大事なことは節税になるのはよくても最初の数年だけです。
不動産投資は確かに上手くやればリスク・リターンのバランスがとても良い投資で、実際にこれで成功してセミリタイアしている人も沢山います。ただ、一つ言えるのは普通にインターネットくらいしか情報源がない人達に、本当に儲かる不動産投資案件は滅多に入ってきません。
それどころか医者は上述のように税金や資産運用などのお金の知識に疎いけどそれなりにお金を持っているまさにカモネギ。一瞬でカモられやすいフィールドです。
というわけで不動産はとにかく本気で勉強して情報収集した上で、上手くコネを作って良い不動産手に入れてセミリタイア目指すぞ!くらいの気合いで望んだ方が良いです。
これを胸に留めて、とりあえず入り口としては不動産投資の本を読んで予備知識をつけた上で、どこかのセミナーとかで不動産投資がどんなものか勉強してみるのが良いかなぁと思います。
セミナーの例
- PRESI
…アパート経営に関する基礎知識が学べるセミナーです。 - グローバルリンクマネジメント
…主に区分マンション投資に関する基礎知識が学べます。
セミナーは初心者にとっては分かりやすく説明してくれて勉強になりますが、基本的には企業の宣伝ありきで成り立っています。勧められるがままにババを掴まされることがないように、最低1冊は本を読んで勉強してから行くことをオススメします。
↑が私が最初に読んだ本です。
私自身も一応不動産は持っていますが、まだ人に勧められるほど成功している自信はないのであまり書きません。一つ言えるのは新築の区分マンションは辞めた方が良いと思います。
実際に投資で成功しているドクターっているの?
ここまで書いてきたように、医者って色んな理由から投資や資産運用は苦手な人も多いのですが、一方でかなり成功しているドクターがいるのも事実です!
というわけで、当ブログでは医者の仕事をしながら投資でもそこそこ稼いでるスーパードクター達にインタビューしていく企画記事も行っています!
投資家医師インタビュー記事
第1回 ビットコインFXで医師年収の5倍を稼ぐドクターにインタビュー!
第3回 ビットコインFXと日経先物トレードで稼ぐドクターにインタビュー
第4回 不動産投資で着実に資産を築いているドクターにインタビュー
最後に

私自身も多分数年前まで本当に常識がなくて、大学性の頃には「どっちが円高でどっちが円安?」とかそんなレベルだったし、株とかそもそもちんぷんかんぷんでした。
色々自分で勉強するうちにすっかりハマってしまったので、こんな形で医者にも出来る投資や資産運用をこれからも紹介していければなと思います!